現在、われわれが扱っている音楽は長音階(メイジャースケール)が基本になっています。
この長音階をそのものずばり音名で表す方法を「固定ド」
長音階の主音(トニック)を「ド」として、以下上に向かってレ、ミ、ファ、ソ、ラ、シと名付ける方法を「移動ド」と呼びます。
何故、音の呼び方が2つあるのかって言うと
楽器演奏時には「固定ド」のほうが扱いやすく
作曲、編曲をするときには「移動ド」のほうが都合が良いのです
つまり、楽器を演奏する時には、その楽器特有の運指、演奏法などがあるので
その音の固有の「音名」を使って読譜したほうがスムーズなのに対して(例外有り)
作曲、編曲時には調のトニックからの音程がわかる「階名」を使ったほうが
現状の調を把握するのに都合が良いんです。
えと、音の呼び方が「固定ド」と「移動ド」の2種類あるもんでちょっと問題が起こっちゃいます。
たとえば2人のミュージシャンが曲を合作しようとします。
んで、もし片方が「移動ド」もう片方が「固定ド」を想定したとしていたら、話がかみ合わなくなっちゃいます。この二人をAさんとBさんとすると
A「そこのメロディーはドレミ〜でお願い」
B「了解でーす」
見たいな会話があったとします。
ここで2人が作っている曲がハ長調だったら問題はないのですが
他の、たとえばト長調でBさんだけ「移動ド」を想定していたりすると
Bさんは、音名で言えば「ソラシ〜」と演奏しちゃいます
これを避けるために、一般的に音を名前じゃなくて数字で表します
つまりその調のトニックから、上に向かって「1,2,3,4・・・・」とやるわけです。
上はCメイジャーでのナンバリングです。
それ以外のキーの時には、たとえばGメイジャーだったらGから順番に「1,2,3,4・・・・」と振っていきます。
さて、ここで新たな問題があります。
マイナーキーの存在です。
マイナーキーでも「1,2,3,4・・・・」と振っていったらメイジャーとマイナーがごっちゃになっちゃうじゃん?
もしかして6番から振っていくの?
いやいや、大丈夫。
マイナーは同主調のメイジャーと比較すると、音が3個違っています。
Cマイナーで言うとCメイジャーの3番目、6番目、7番目が半音下がっています。
だもんで、その三つにbをつけて半音下がっていることを示せばいいのです。
メイジャーキー、マイナーキーでのナンバリングは理解しました。
しかし、メイジャースケールだけで曲が成り立っているわけはありません。
一時的に転調したり、アウトした音を使ったりとスケール外の音も使ったりします。
もちろんそれらの音にも名前がついています。
すべて調の主音(トニック)からの音程差(インターバル)であらわします。
上の図がCがトニックのときの各音の番号です。
括弧は異名同音って言って、ケースバイケースで使い分けます。(b7も#6って呼びかえられるけど、あんまり使わないです)
また、2のことを1オクターブ上の9で表したり、4を同じく11で表したりすることもありますが、それはまだ先の話です。
あと、なぜかは知りませんが一般的な習慣として音単体をあらわすときはアラビア数字
コードのルートを示すときはギリシャ数字を使います。
(例)
W△7(11,13)
↑ ↑
↑ 単音はアラビア数字
↑
コードのルートはギリシャ数字