現在の音楽は大多数が平均律のメイジャースケールが基本になっています。
この、メイジャースケール内の音だけを使って、3度音程毎に積み重ねたコードを「ダイアトニックコード」といいます。
ダイアトニックコードには3つの音を積み重ねたトライアドと4つの音を積み重ねたセブンスコードの2種類、そしてスケール内の音が7種類ですから計14種類のコードがあることになります。
○Cメイジャースケールから派生するダイアトニックコード
・トライアド
・セブンス
上の譜面で、上側が実音のコードネーム、下側にはナンバリングシステムを使ったコードネームです。
コードを分析(アナライズ)するときには基本的にナンバリングシステムのほうを使います。
なぜなら、ナンバリングコードのほうがそのコードの機能を把握しやすいからです。
さて、そのコードの機能ですが上の譜面見ると、同じタイプのコードがダブってますね。
T△7とW△7、U-とV-とY-とか。
これらはコードのタイプは同じですが、その調の中では違った機能を持ちます。
ダイアトニックコードにはそのコードの機能によって3種類に分かれます
一番安定した、そのキーを特徴づけるコード群です。
要するにCメイジャーにおけるC、もしくはC△7のことです。
が、ダイアトニックコード内には代わりに使えるコードもあります
トライアドではV-、Y-
セブンスではV-7、Y-7
が該当します。
なんで、代わりに使えるんでしょうか?
まず、各コードの構成音を見てみましょう
Cトライアドの構成音は「C,E,G」です。
そして、Eマイナーは「E,G,B」なのでCトライアドとEマイナーの違いは3種の構成音のうちたった1つです。
同じようにAマイナーにおいても異なる音は1つだけになります。
セブンスコードであるC△7とE-7、A-7においてもその違いはたった一つの音
C△7とE-7では、違う音はC△7のルートのCとE-7の7thの音に当たるD音
C△7とA-7では、C△7の7thのBとA-7のルートのA音が違うだけです。
つまり、そのダイアトニックの元となるキーでの響きがわりと似てるもんで変わりに使えちゃうんです。
まぁ、どれを使うかは求めるサウンドで決めてくださいってことです。
えと、言葉じゃ説明しにくいですが・・・
モノの本には「やや不安定な響きを持つ」とか書いてあるあれです。
個人的にあえて言葉で表現するなら「トニックからの変化が大きいコード」って感じかなぁ・・・
コード進行で言うと
トニックだけ
|T|T|T|T|
|C|E-|A-|C|
サブトミナント
|T|SD|T|SD|
|C|F|A-|D-|
SDってとこにくるとサウンドがガラッと変わるでしょ?
トニックのTのコードに比べて違う音が2個以上あるもんで、変化した感は強くなります。
このサブドミナント機能を持つコードは、トニックから4度上のノート上にあるWとW△7です。
んで、やっぱりトニックと同じように代理にU-とU-7が使えます。
おや?なんかくっついてる。ドミナントモーションだってさ。
えと、このドミナントモーションなるもののせいでこの機能を持つコード群はちょっと特別扱いされちゃいます。
とりあえずダイアトニックコードでドミナントに該当するのは5音目にあたるXとX7です。
で、なんでこの機能を持つコードがチヤホヤされるかというと、その響きがちょっと特殊って言うか・・・まぁ、汚いからです。
トライアドのXは良いとして、このX7というコードなんですが構成音を見ると
R、3、P5、-7
このうち3の音と-7の音が増4度(減5度)音程という不安定な音程にになります。
他のダイアトニックコードを見てみると3rdの音と7thの音は完全5度になっています。
この不安定な増4度音程が安定したトニックのRと3rdに解決しようとする動きはコード進行に強い動きを作ります。
下のコード進行の(?)にコードを入れてみてください。
|C△7|G7|(?)|
なんか進行がCに行きたがってない?
このコードの動きを「ドミナントモーション」って言います。
ええ、最初にダイアトニックコードは7音が2種類で14個って言ったけどなんか12個しか出てないですね・・・・ZoとZ-7(b5)が出てないです
これ、忘れてたわけじゃないです。
ただこのコードは、メイジャーキーではちょっと扱いにくいんです(使わないわけじゃないですよ)
このコードの構成音を見ると
R、b3、b5、b7
さっきのドミナントモーションで出てきた増4度(減5度)音程を含んでいます。
だもんで、ドミナントとして使えないことはないのですが、あんまり使わないです。
ドミナントとして使うと、Z-7(b5)ってより X7(9)/Z のように聞こえちゃうんです。
というのもドミナントモーションの動きはトライトーンの解決に加えてコードのルートが5度進行する動きの強さも一要素だからです。
ですが、Z-7(b5)がいらない子と言うわけじゃありません!!
実はこのコード、次で説明するマイナーキーで脚光を浴びることになります!!
具体的な説明はドミナントモーションで解説しますね
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