さて、マイナースケールの解説なんですが
モノの本にはマイナースケールは3種類ある、って書かれています。
自然的短音階(ナチュラルマイナー
和声的短音階(ハーモニックマイナー
旋律的短音階(メロディックマイナー
何で3つもあるんでしょう?
ひとつでいいじゃん?真実はいつもひとつ!!
まぁ、そういうわけにいかなかったんですね。
おそらく人類が音楽を作り出して、このマイナースケールを扱いだしたころはきっとナチュラルマイナーだけだったんだと思います。
ただ、ナチュラルマイナーにはちょっと物足りないところがありまして・・・
とりあえずナチュラルマイナーのダイアトニックコード(スケール上の音だけで作られるコードを見てみます。
○3和音
○4和音
えと、メイジャーのところでX7からTに進行する動きをドミナントモーションと言って
非常に強い動きになるってやつを覚えてますでしょうか。
X7に含まれる減5度音程(トライトーン)がTのルートと3rdの長3度音程に半音で進行するってやつです。
この動きはトライトーンの解決だけじゃなくて、
ルート音が5度下(4度上)に進行するのも強い進行(コードが行きたがるってやつです)の要因にもなってるんですね。
んで、ナチュラルマイナーのダイアトニックコードを見ますと、
XのコードはX-7になっているのでトライトーンを含んでいないことがわかります。
つまり強い動きであるX→Tの進行のXのコードの不安定感が薄まるためTのコードへ行きたがる力が弱くなっちゃいます。
そこで一時的にX-7をX7にするために生まれたのが和声的短音階(ハーモニックマイナー)です。
ナチュラルマイナーの7音目(X-7の3音目)を半音あげてX7を使えるようにしたスケールです。
ダイアトニックコードを見てみましょう
○3和音
○4和音
Xのところを見てみますと・・・・やりました!
マイナーキーでのX7を獲得です!!
これでマイナーキー上でもドミナントモーションを使うことが出来ます。
ただ、ちょっと問題がありまして・・・・
このハーモニックマイナーを弾くか打ち込むかして聞いてみてください。
なんか・・不自然です(´・ω・`)
7音目を半音あげたもんで6音目と7音目が離れすぎてて違和感があります。
何とかできないものでしょうか
ハーモニックマイナーが不自然な音階になっているのは、X7を作るために7音目を半音あげたために6音目と7音目が離れすぎちゃっているのが原因です。
離れすぎてるのが原因なら近づけちゃえばいいじゃん?
はい。正解です!
X7を作るために半音あげた7音目を下へ近づけるのは本末転倒なので、6音目のほうを半音あげて7音目に近づけてみます。
ハーモニックマイナーよりは自然な音階になりました。
念のためダイアトニックコードを見てみましょう。
○3和音
○4和音
X7もばっちり入っています。
じゃぁ、メロディックマイナーだけでいいじゃん?
何で3種類も使うの?って思うかもですけど、やっぱり自然に発生したナチュラルマイナーのが旋律的にはきれいです。
なので、普段はナチュラルマイナーを使ってそのほかのマイナースケールの由来であるドミナントモーション時にハーモニックマイナー、メロディックマイナーを使うのが自然です。
求めるサウンドによって3種類のマイナースケールを使い分けます。
次は各マイナーのコードスケールを見ていきましょう。
前へ(メイジャーダイアトニックのコードスケール) 次へ(ナチュラルマイナー)