いきなりですが、典型的なブルーの進行を見てもらいます。
│T7 │T7 │T7 │T7 │
│W7 │W7 │T7 │T7 │
│X7 │W7 │T7 │T7 │
基本的に1コーラス12小節な訳ですが
いきなり変なコードですT7って・・・・
今まで、さんざん不安定なコードだから解決したがるよーって言ってたのに、
よりにもよってトニックであるTのコードでセブンスです。
これは、ブルースが今までの音楽理論が西欧発祥のものであるのに対して
ブルースはアフリカ発祥の理論だからです。
西欧音楽が自然にメイジャーを扱うのと同様に
ブルースではトニックでにのセブンスコードを扱います。
「私はブルースはやらないから関係ないよー」
って思うかもしれませんが、現在ブルースはあらゆる音楽に取り込まれていて
音楽を演奏したり、曲を書いたりするにあたって不可避なものになっていますんできちんと覚えちゃいましょうね。
さて、このT7ですがミクソリディアンモードを想定すれば確かにT7が得られます。
もちろん、それでも間違いではありません。
ですが、ブルースフレーバーを生かすためには
基本的にマイナーペンタトニックスケールを使用することになります。
もちろんT7ですからメイジャーペンタも使えます。
さてT7には上述のマイナーペンタトニックを使うんですが・・・
・・・なんかおかしくない?
だってさ、T7ってメイジャーのコードじゃん?
なんで短3度が入ってるマイナーのスケール使うの?
えー、このブルースってやつは、なぜか3度と5度と7度をフラットさせて弾くんです。
このフラットした音を「ブルーノート」って言います。
つまりT7って言う不安定なトニックコードもT△7の7度がフラットしたものなんですね。
んで、このブルーノートなんですが、じつは完全にフラットしてなかったりするんです。
つまり
まったくフラットさせない ⇔ 完全にフラット
ここの隙間にたくさんのブルーノートが存在するわけです。
これを便宜上スケールに直すと
さらにT7ですからマイナーペンタの裏(短3度上からはじめる)スケールの
メイジャーペンタを合成すると
なんか、音多いね・・・
でも、この音の多様さがブルースが非常に柔軟であらゆる音楽に取り込まれた原因になってると思います。
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